2018年04月29日

大阪圭吉『三の字旅行会』ネタバレ検討会

青空文庫 図書カード:No.1272 三の字旅行会 大阪圭吉
 https://www.aozora.gr.jp/cards/000236/card1272.html
  https://www.aozora.gr.jp/cards/000236/files/1272_24382.html

  

  
 昭和14年の作品。
 東京駅で赤帽をしている伝さんの視点で描かれた奇妙な犯罪の顛末。
 当時は赤帽(ポーター)という荷物を運ぶ方がおられたんですね。
 今はあまり見かけません。現在の人はあの頃の人より体力がついたのでしょうか。


「おい、伝さん。しっかりして呉れよ。……いったいお前さんは、少し講談や小説本に夢中になり過ぎるからいけないんだ。ふン、三の字旅行会だなんて、飛んでもないヨタ咄にひッかかってさ。あんなものは皆んな出鱈目だよ。僕だって、もう暫く前から、あの案内人や、お客のことには気づいていたんだ。しかし僕は、お蔭でお前さんみたいな飛んでもない勘違いはしなかったよ。」


……と、伝さんは宇利氏に言われます。
 同じ現象を見ていても、目端の利く宇利氏と、与太話に騙される伝さんの対比が面白い。
 実は私も講談や小説本に夢中になり過ぎてヨタ咄に引っかかるような伝さんタイプの人間です。
 ただ、厳密には宇利氏と伝さんは立場が違い、従って見ているものが違います。
 宇利氏は改札係で、荷物係の持っている切符を見ることができました。
 現象だけを見ている伝さんとは情報量が違います。
「改札係といえば、伝さん達よりは段違いの上役である」
と書かれています。
 悔しいけどやはり立場が上の方が得られる情報量が多いので、それだけ推理のデータが増えます。
 推理にしろメディアリテラシーにしろ、正しい情報がないと成り立たないんですね。

 
 しかし現実的にこの犯罪を行おうとするのは大変ではないでしょうか。
 まず、三等車の三輛目にたまたま若い女性客がいない場合。
 その場合は他の人の後についたらいいとして。
 一番大事なのは、ポーターが客室に入れるのは乗客が全員出た後ではないかということです。どうしても時間的にハンディがあります。
 だから伝さんが犯人を同業者や商売敵だろうと勘違いする状況はあり得ないと思われます。
 先人の作品のあら捜しばかりして申し訳ありません。


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posted by SF Kid at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 探偵小説
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